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トランスナショナル象の道草記

海外駐在経験者による気ままなブログ

政治的チャラキャラの退潮?

ブレグジットはそれなりにショッキングなイベントでしたが、それより驚かされたのは、「離脱派」とされる面々のあまりの軽さです。党首選出馬が当然視されていたボリス・ジョンソンの辞退にもびっくりさせられましたが、独立党のナイジェル・ファラージなど、売り物の公約だったEU拠出金の福祉予算振替案を実行不可能として取り下げただけでなく、党首を辞任してしまうんですから。もうどうしようもないとしか言いようがなく、こんな連中を信じて投票した人々が気の毒になります。

もっとも、これは一概にバッドニュースというばかりではなく、むしろ世界的にはいい教育効果になるんじゃないかと期待しています。何しろ、軽率な投票行動が後で重大なしっぺ返しにつながることが如実に示されたわけですから、特に欧米に蔓延しつつあるポピュリズムへの一つの防波堤になってほしいものです。現に直後に行われたスペイン総選挙では、ポピュリズム的な政党の伸び悩みが見られたようです。

ただ、ポピュリズム=悪とも言い切れない面があり、ある層の人々の置かれている状況を社会に知らしめるという効果もなくはないです。とはいえ、あること無いこと言い立てたり、キャッチ―な言説で議論をゆがめるのだけはいただけません。こういうのは、ポピュリストというだけではなく、政治的なチャラ男(女性もありうるのでチャラキャラとでも呼びましょう)と言うべき存在です。

そういう意味では、言うまでもなくドナルド・トランプこそまぎれもない政治的チャラキャラですね。彼の昔を知る人による真の(?)人物像と今の姿の乖離には探求心をそそられますが、それはさておき、主張の内容よりもその訴求のスタイルによって、ある層の溜飲を下げ支持を伸ばすそのやり方は、感情に流される政治を持ち込むという意味で大変危険ですね。何より、かなり多数の層の本音を暴露してしまったため、他国のアメリカ人観に多大な影響が出るのは避けられないかと危惧します。まあ、公民権運動以来の差別撤廃の動きに建前上付き合うのに疲れたという面もあるんでしょうが、やはり繰り返しによって常識を変えていくべきであって、蒸し返しはまずいと思うんですね。

彼の場合は、本当に最初どこまで本気で大統領職を目指したか疑問なしとはしませんが、少なくとも政治討論会を「子供に見せられない」状況にしてしまったのは大きな罪でしょう。

とはいえ、さすがに飽きられてきたようにも見受けられる中、イギリスの教訓が生きることを願わずにはいられません。ジョンソンとも二重写しですし。

ひるがえって、日本ですが、東京都知事選に小池氏が立候補ですか。筆者、氏の政治的・行政的力量は全くわかりませんが、何となく都知事という仕事自体に興味があるというよりも、政治的なスプリングボードとしたいという雰囲気をぷんぷん感じます。そもそも、今の混乱の元は石原慎太郎氏の身勝手な途中辞任に端を発しているわけで、いいかげん都民もチャラキャラを選ぶことのデメリットに目覚めてほしいものです。目立ちはするものの、所詮一都道府県の行政の長ですので。